先日のブログ
『スピーカーRQ-S11の新セッティング開眼!』の解説編です。
話は、9月13日に開催しました『第2回小さな青山ルーム試聴会』から始まります。その日のパフォーマンスは、私自身納得できるものではありませんでした。当日は合格点ギリギリと判断して試聴会をスタートさせたのですが、今にして思えば、やはり不合格だったと感じています。
試聴会のご感想は、エンジニアの太陽倶楽部レコーディングス加藤明さんが、
レクスト掲示板に投稿してくださいました(投稿No.1089)。ありがとうございます。加藤さんのご感想のように、
RQ-S11のパフォーマンスは悪くはなかったのです。しかし、ベストを知っている私としては、「どうしてあんな硬い音だったのだろう?」と謎でした。試聴会中も、何度か配線をチェックしたりセッティングを確認したりしてみましたが、原因は不明。せっかく皆さんが夢のスピーカーRQ-S11を聴きに来てくださったのに・・・その夜は、悔しくて情けなくて眠れませんでした。
翌日の
RQ-P8納品は、良いイメージだけを持って望むよう心掛けました。結果、「昨日の硬い音は何だったのだ?」と不思議に感じるほど、お客様宅にセッティングした
RQ-F7+
RQ-P8=
RQ-S11は、まさに夢のサウンドを聴かせてくれたのです!柔らかく、広く、力強く、そして生々しい。お客様が鳴らしたMISIAは、まるでそこで歌っているかのよう。私も鳥肌が出るほどの音楽再現。お客様と笑顔でガッチリと握手し、夢のスピーカーの完成に歓喜しました。
お客様宅でのセッティング大成功で気持ちよく軽井沢への帰路についたのですが、その道中は自問自答を繰り返します。レクスト青山ではやっていなくて、お客様宅でやったことはなんなのか。そこに解決の糸口がありそうです。
レクスト白山時代の経験からすると、電源は大きな要因でしょう。金曜日の青山・原宿地区が、良い電源環境とはいえません。音を伝達する空気、ご参加いただいたお客様の反応なども、もちろん再生音に影響します。しかし、そんなものは言い訳にしかすぎません。夢のスピーカーたるもの、どんな環境下であろうと、お客様の好みがどうあろうと、夢のサウンドで鳴ってこそ“夢”なのですから。
数日後、あることに気付きました。床の水平具合です。今まで、3軒のお客様宅へRQ-P8を納品してきました。レクスト軽井沢を合わせると、合計4例。全ての例に共通するのは、床の水平調整を行ったということ。一般的なお部屋では、床が水平とは限らず、多少のガタつきをスパイク足で調整します。レクスト青山の床は驚くほど水平状態がよく、スパイクの出し入れはほとんどありません。
そう、スパイクの出し方に答えがありました。RQ-P8の底板は、スタジオのリファレンス・スタンドとして定番となっているRKSTスピーカースタンドの底板と同じものです。RKSTスタンドのセッティングのコツとして、スパイク足をあまり底から出さないのをお薦めしています。具体的には、六角レンチで2回転ほどが推奨です。
RQ-P8も、それに倣ってセッティングしていました。スパイクは底板から六角レンチで2回転ほどの、数ミリのみ突き出させるという感じです。水平の調整は、その位置からスパイクを出していく方向に作業します。
つまり、お客様宅では水平をとるために、スパイクは底板から2回転よりも突き出してセッティングされているということ。レクスト青山は水平な部屋なので、底板から2回転しかスパイクが飛び出していない。この差だったのです。
答えが分かると、7月27日の夏イベントのパフォーマンスも頷けます。OAフロアの影響で、後方の席のお客様には低音過多になっていました。あの会場となった会議室も、OAフロアのためスパイク足を2回転分しか出していませんでした。あああ・・・。
ウーファーとスピーカースタンドでは、セッティングが異なるということを学びました。気がつけば当然の話。ですが、人間は自分の失敗にはなかなか気付けないものです。思い込みを打破する難しさを痛感した出来事でした。勉強になります!
そうと分かれば、RQ-S11にベストな“スパイクの出し具合”があるはず。その答えは、床の材質や状態と関連しますので、一概には決められません。しかし、ベストな位置は必ずあり、それを探し出すのが、配達してセッティングする私の重要な役割です。お客様宅やイベント会場の床の環境に、より柔軟に対応できるセッティング技術を身につけることができました。この前進は、本当に大きな一歩です!
レクスト軽井沢で、その新セッティング技術を試したのが、先日の比較試聴動画。実は、それから更に技術に磨きをかけました。最新のセッティングを聴いてみてください。
まずは、従来のRQ-S11セッティング方法のパフォーマンスです。(再掲載)
次に、9月17日当時のRQ-S11の新セッティングのパフォーマンスです。(再掲載)
そして、更に腕に磨きをかけた、RQ-S11の新セッティングのパフォーマンスです。
いかがでしたでしょうか?もちろん、本日投稿した動画のセッティングは、アクセサリー、音量など再掲載した動画と全て共通です。違いは、底板から出すスパイク足の高さが、ほんの数ミリ異なるだけ。本当にスピーカーセッティングとは奥が深いですね!